【活動報告】「内部被ばくを生き抜く」上映&シンポジウムを開催しました


「Qベク5年生」記念を兼ねて、7月30日に鎌仲ひとみ監督の『内部被ばくを生き抜く』の上映会を開催しました。

鎌仲監督の「グラデーション」という言葉が深く印象に残っています。−−−低線量の放射線は安全である、に始まって、どんなに微量でも危険があるまで‥‥、汚染もまたまだらなグラデーションを地上に描いている−−−。
信じられるものがない中で生き抜く努力をつづける人々の元に足を運び、話を聞き、何が一緒にできるかを模索した監督の答えの一つがこの映画だったのですね。内部被曝に警鐘を鳴らしつづけた肥田舜太郎医師(3月に逝去)、チェルノブイリやイラク、福島の医療支援をしている鎌田實医師、東大アイソトープ研究所所長の児島龍彦医師、チェルノブイリから100kmのゴメリ州で45年小児科医を勤めているスモルニコワ・バレンチナ医師という4人の医師の話を柱にしたこの映画は迷う親たちの道しるべになったのではないでしょうか。

福島で話を聞くにつけ、「知ってたら逃げてた。原発のこと、何にも知らなかった」という嘆きに何度も出会った監督。もう一つの答えとして、「原子力防災講座」を開き、「原子力防災カルタA to Z」も作ろうとしているそうです。
あまりに興味深かったので、ちょっと紹介してみます。
「A あなただけの防災マニュアル」
「B バイアス(正常性バイアス)に気をつけよう」
   ‥‥正常性バイアス:ほんとは危険が迫っているのに、きっと大丈夫、
     なんてことない、と安心しようとする心理のこと
「D どっち?どこまで?逃げたらいい?」
「E エスケープ!逃げろ!逃げろ!」
「G ガイガーカウンター 一家に一台」
「H 早め早めのアクションを!」
   ‥‥率先的避難者となることが隣人の避難を促す力になりますよ
「I ヨウ素剤を用意」
「K 靴を寝室に用意」
「N ネバー・ギブ・アップ」
‥‥ 英語、日本語入り混りのカルタに会場大爆笑でしたが、改めて衝撃を受けたのが、「D どっち?どこまで?」。「風向きに直角に車で」と漠然と考えていたのがまるで使えない案だと指摘された気がしました。県や市に聞く避難マニュアルによれば、私たち30km圏外は、原則屋内退避。つまり避難させないことになっているし、圏内の避難者を乗せた車でおそらくは渋滞がおきているはず。あるいはガス欠で捨てられた車で通行不可‥‥。我が家だけの防災マニュアルが大事なのは、こういうことなんだなあと自分の危機意識の薄さにしばし呆然となりました。いやあ、家族と話し合って「D」を決めておかねば。

参加者の二人に一人がアンケートに答えてくださいました。多かったのが「3・11がだんだん遠くなっていた」「集団線量について初めて知った」「覚悟して生きなくてはならない理不尽さ」等々。

トークではエアサンプラーを開発したQベクスタッフや顧問の物理学教授・豊島先生との対談も交え、具体的で興味深い会だったとおもいます。

市民自身の手で測定することは自分の身を守る第一歩です。Qベク6年生へ向けて、これからも皆さんの協力をお願いしたいと思います。心からよろしくお願いします。

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